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副鼻腔の役割

感性に訴えるものづくり 開発の新常識は「脳に聞け」 (4/4ページ)2015/8/5 6:30 小サイズに変更 中サイズに変更 大サイズに変更 保存印刷リプリント共有 ■非接触の測定技術も登場へ

 脳の情報活用をもっと盛んにするには、計測技術の進歩も必要だ。特に技術者からは脳計測の“モバイル化”を要求する声が強い。

 ただし、既存の計測手法には頭部に装置を装着しなければならないために利用シーンに制約がある。そこで、装着の負担をできるだけ抑える方法の開発が進んでいる(図5)。

図5 脳の活動と生理情報の相関を調べたうえで、測定が容易な生理情報から間接的に脳活動を知ることも可能(左)。ただし、生理情報から脳活動を推定する方法では、時間分解能が良くないなどの課題がある。そこでこうした課題を解決する研究が進んでいる(右)。同時に、脳波計などの脳計測装置の装着性を高める技術開発も進んでいる(右図の写真:左上はIMEC、右上は大阪大学、右下はジェイアイエヌ)
 慶応大学の満倉氏は、非接触で脳情報の計測を可能とする技術を開発中で、2015年夏中に明らかにする。具体的な手法は不明だが、同氏が前頭葉の脳波計測に注力していることから、額を観察対象とすると見られる。光線や電波を照射して反射から脳の情報を読み取るといった方法が考えられる。

 計測技術の別の開発の方向性として、脳以外の生理情報の活用がある。目や瞳の動き、まばたき、脈波などを計測。これらと、その人の感性などとの対応を取る。ただし、脳波計測に比べると、感情の変化などを即座に読み取れないといった課題がある。

 こうした課題を踏まえつつ、脳計測以上に有益な情報を取ろうとしているのが、大手メガネメーカーのジェイアイエヌだ。日常的な長時間の装着のしやすさを優先し、脳活動計測の一部を代替し得る手法として「メガネ型眼電位計測」を採用。2015年秋に製品化を予定している。

 同社が実現したいのは「まさに脳波計測装置と同じこと」(R&D室マネジャーの井上一鷹氏)。感情などに関わる情報が、目の動きに伴って変化する眼電位や瞬きなどに表れる。好感度や納得度、関心、眠気などさまざまな状況を推定できる。

 装着しやすくすることで昼夜を問わず連続した計測が可能となり、「(装着時間に制約がある)脳波計測では得られない情報が取得できる可能性がある」(井上氏)。例えば、血圧のような古くからある生理情報も多数の人間で24時間365日計測を続けると、ビッグデータ解析によって病気の予知などにつながる。同様の解析を組み合わせて有益な情報を生み出す狙いだ。


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2015年08月06日 10:44に投稿されたエントリーのページです。

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